土地建物の権利、義務関係は文書化に

権利、義務関係は全て文書化して残すこと

権利、義務関係は全て文書化して残すこと

 

次に難しい問題があった過去の具体例を上げて見ます。

 

あなたならどう考え、どう対処しますか?

 

具体例1:
約20年前にあった札幌市中央区の旧市街にある一戸建ての売買事例です。

 

・街並みは古く、前面道路は不定幅の3間道路(約5.45m)。
・南向きの土地でした。
・建物は古く、築年数は約25年。地盤は良い方でした。
・当該地の境界は左右・奥とブロック塀で区切られていました。

 

 

<買主は以下のように考えました。>

 

1.場所も気に入った。
2.建物も100%満足ではないが、まだ住める!いずれ新築すれば良い。
3.交通便・買物便・近隣施設の充実面も妥協できる。

 

ただ、私には気がかりな点がありました。

 

どう見ても、奥の土地との境界は登記された地積図の境界線とは違うところに境界壁であるブロック塀があるように見える。
間違ったところに境界壁を造ったのではないのか?

 

 

*****そこで、『あなたなら、どう対処しますか?』*******

 

通常は、「仲介業者にお願いする。」になりますね。

 

でも、予備知識はお持ちになっていたほうが良いですね。

 

 

******************************

 

その当時、私が行ったことは

 

① 事実確認。
当該所有者と隣地所有者に塀を建てた当時の状況確認をしました。

 

その結果、分かったことは、

 

・建てた当時はナアナアで奥の所有者が塀を建てた事。
・その時に隣地確認承諾も取っていなかった事。
・当然、文書も交わしていなかった事。
・そこで、売主の責任と負担で測量を入れると道路から向かって、奥のブロック塀は右奥の境界石から左奥の境界石へ向かって斜めに入っていました。
・奥のブロック塀は左奥の境界石の正しい位置から43㎝売主側に食い込んでいる事が判明。

 

② ベストな対策を行う事。

 

奥の所有者は悪意でブロック塀を廻したわけでなく、越境している事も知らなかったようです。
ただ、今の塀を撤去して正規の位置に戻すには今すぐ経済的にできないとの事。

 

この状況を踏まえて、対処したことは

 

・ブロック塀がこちらに越境していることを両者に事実確認をしてもらう。
・あらたに隣地境界承諾書に署名押印を両者からいただく。
・越境している奥の所有者から、塀を撤去あるいは新たに塀をつくるときには正規
の境界線を守って施工する旨の「覚書」を作成し署名押印をしてもらう。

 

ということで対処しました。

 

☆ 私の教訓として、

 

口頭での約束は効力なしと思うこと。権利、義務関係は全て文書化して残すこと!」でした。

 

また、
土地の境界は不動産取引の中で1番重要だと考えています。

 

何故か?

 

建物は越境がない限り、他人様には迷惑をかけませんが、土地の境界は土地所有者名義が変わる度に、いわゆる相続や売買などの時に確認事項として必ず第三者との接触・相談・交渉・承諾などが不可欠になるからです。

 

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