マイホームの価格はどこで決まるの?
ハウスメーカーの不動産部 部長時代、
「部長、●●不動産鑑定事務所から電話です。」
電話に出ると、
「実は、○○区××条××丁目の相場を教えて欲しいのですが・・・・・・」
「分りました。土地は何坪ですか? 方位は? 間口は? 築年数は?・・・・」
最後に、不動産鑑定士は言います。
「有難うございました。また、よろしくお願いします。」
このようなやり取りは毎年4~5回ありました。
うそのような話ですが、実は、実話です。
堅実な言い方ですみません。
三実一体になりました。
私がなにを言いたいか、
賢明な皆様なら直ぐにお分かりでしょうが、
敢えて言わせていただくと、
彼らの
査定報告書における係数や掛け目率だけでの算定では、
生の相場を掴みきれないのではないか?
その不動産鑑定士は何回現場に足を運んだか?・・・
という事が電話を受ける度、いつも頭をよぎっていました。
果たして、相場だけで良かったのかな?
不動産は一つ一つ違うんだけど・・・・
相場は大事です。
でも、
近隣売買事例や土地の坪単価・建物の大きさ、築年数等だけでは、個々の建物の価値を見出せないのではないか。
人間の姿や性格と同じで、
中古住宅も一つ一つの姿や性格を持っていると思います。
そうです。
建物もオンリーワンなんです。
例えば、よく、こんな方がいます。
「同じ並びのあの家は2000万円で売れたんだって。
私の家はあの家より20坪も土地が広いから、もっと高く売れるよね?
坪25万として、500万はあの家より高いはず。」
あなたなら、なんと答えます?
「そりゃ、そうだよ!」
「ごもっともでございます。」
と答えたなら、ど真ん中の大はずれ?
私なら、売れるとも売れないとも言えません。
何故か?
1.売りの相場はそうだとしても、
そこの住宅街での買いの相場は2000万前後の予算の層が大多数なら、
需要と供給がかみ合わない。
2.私の家とあの家が10年前の同じ建売だとしても、
果たして、今現在でも同じ状態?・・・・
ではないでしょう。
住む人が違えば、同じ家のままでの存続にはならない。
人間と同じで中味がどうなっているかが問題!
外観だけではないよ!
とくにハーゲンダーでなくハゲテンダーの私の場合、
このことを強調したい。
(すみません、一部の人しか分らないことで)
そんな訳で、
中古住宅の売値決定は、
需給バランスに立脚した相場に、
オンリーワンである建物の評価を加味した価格こそ、
第三者に納得していただける価格だと考えます。
しかし、もう一つ、厄介な問題があるんです。
それは、
真の相場価格と実際の売買価格は同じか?
・・・・・・です。
このことについては、忘れなければ、次の機会に述べてみます。